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 ブランド物の衣服に身を包んだり、高級車やマイホームを所有するように、妖怪もまた、人々のステータスのひとつとなっていた。  男は強そうな妖怪や恐ろしい妖怪を従え歩き、女子供は小さく愛らしい妖怪を側に置く。空にはこれ見よがしとばかりに背中や頭に人間を乗せた妖怪があちこち飛び交っていた。 「あーあ。早く私も空飛ぶ乗り物妖怪が欲しいわ。次のボーナスまで待ちきれない」  そう言って空から地上に視線を戻した時、女の目はふと、あるものに留まった。  空中を、フワフワと綿毛のような白い物体が漂っている。 「ごしゅじんサマ」  あれは何かと思考する前に、アマビエが話し掛けた。
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