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「いらっしゃいませ」  今日も妖怪ショップにお客がやって来る。  その猪八戒に似ている人間の男は、品定めするかのように一通り商品を見ていくと、鎖に繋がれたある妖怪に目が釘付けとなった。 「すんません。この娘も妖怪なんでぶか?」 「はい。先日入荷したばかりの“ぬれおなご”でございます」  濡れた髪をかき上げ、口元にホクロを見つけると、男はニタァと不揃いな歯を見せ笑った。 「気に入った。今日からおでが、かわいがったげるよ……!」 「ヒ……ヒィィィィ……」  終
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