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私には確かに見えていたものが、 あったはず その何もかもが 今は 見えない。 水しぶきと 落下する大量の水滴 すべてを消し去る 今日もやまない 雨 通信は途絶えたまま 私の残り香も あの人の匂いも もう雨が すべて消し去ったろうか。 消えていく街 その雑踏に 残っていたはずの 私の匂い 夜の闇に消えていく街の その向こう側へ 夜を越えたい 越えた向こうには 何も無いかもしれない ただあの人の 残り香を求める…
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