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仕事を終えて、すでに真夜中。 外に出ると、煌めくイルミネーションが目に入った。 人通りは少ないが、街の灯はまだ消えていない。 ゆっくり歩いて、センター街の向こうまで。 賑わいがまだ残っている、ビルの二階に入っているファミレス。 その前を ゆっくり ゆっくり 素通りする。 店内が見える 広めの窓の前を 何度も往復。 ゆっくりと往復。 すると しばらくして 若い女性のファミレス店員が 窓際の席の客に注文を取りに来た。 今日は深夜まで勤務か? この時間にまだ働いているということは そういうことかもしれない。 ここを往復して待つか? いや、こっちも明日は早朝から 派遣の仕事だ。 ちょうど0時を回る時間まで ここにいよう。 後数分しかないが…。 本当はもうちょっとここに居て 彼女を見つめていたい… 彼女は、ちょっとだけ無理した営業スマイルを浮かべて 冷静に注文を取っていた。 今日もお疲れ そして 今日も美しい… それでいい
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