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「サキ、ケンジくんがパパになってもいい?」と聞いた。サキは何を言っているのか分からない様子で
「ケンジくんはパパじゃないよ。パパがパパだよ。」と言った。
「うん。パパはパパだね。でも、『パパ』って一緒に遊んでくれたり、色々なことを教えてくれたり、たくさんハグしてくれたり、サキのことを一番に考えてくれる人のこともパパって言うんだよ。友達じゃなくってパパなんだよ。」と語った。
「ケンジくん、サキのこと怒ってばっかりだよ。」
「怒っているんじゃないよ。教えてくれているんだよ。ケンジくんはサキのことが大好きだから、いっぱい教えたいと思っているの。」
「そうなの?サキのこと好きなの?」
サキは全くそんなことは思いもしなかったという顔でびっくりしている。
「じゃ、パパはどうなるの?」
サキはケンジがパパになったら、パパがパパじゃなくなると思って不安になった。
「パパはパパのままだよ。ケンジパパとパパ。パパが二人になるんだよ。」
サキは「ケンジパパ~」と言ってケタケタと笑い出した。
「今度、ケンジパパって呼んでみようか!?」とシオリが提案すると、サキはまた「ケンジパパ~」と言って笑った。
ーーー 完 ---
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