幸せの味

2/15
前へ
/15ページ
次へ
事の始まりは、3日前に返却された英語の小テスト。 幼馴染みの陽太がいつになく自信満々な様子で、点数で勝負をしようと騒いだ。 あまりの煩さとしつこさに仕方なく、ほんっとうに仕方なく、ノってやった。 どうせ勝つのは俺だという自信もあった。 なにせ、陽太の不得意な教科が英語だということは知っていたし(そもそもコイツには体育以外得意な教科が存在しないのだが)、 俺は俺でしっかりと1週間前からテスト対策をしていたから。成績の為なら努力は惜しまん。 そういったこともあり、陽太の罰ゲームを付けるという提案に2つ返事で頷いた。 しかし、2つ返事で了承したことをすぐに後悔することになる。なんと奴は俺の得点を超えてきたのだ。 普段、3割取れればラッキーなんて言ってる奴が、9割強の点数を取れるなんて誰が思うだろう。 少なくとも俺は全く、これっぽっちも思わなかった。 しかし、奴の点数は俺より3点上回っていた。 つまり俺は負けてしまったのだ。 負けてしまったからには、罰ゲームを受けなければならない。嫌だけど、本当に嫌だけど。 陽太に罰ゲームを訊きに行った。 渋々罰ゲームを訊ねた俺に、奴はニヤリと口角を上げて言った。 『告白しろ』 と。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加