わたしを悩ます子宮内膜症

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気がついた時にはすでに大部屋に戻っていた。息が出来ず、多くの人がわたしの周りでバタバタと慌ただしくしていた。息苦しく、とても寒かった。看護婦が毛布でわたしをくるんで暖めてくれたので寒さがなくなり、落ち着くことができた。急に血圧が下がり、異変に気づいた大部屋にいるだれかの付添人が看護婦を呼んでくれたようだ。カーテンのない大部屋で良かったと思えた。 ずっと点滴をしていたので、尿意がたびたび訪れ、大変だった。どうしていいか分からず我慢をしていたが、どうすることもできなくなり看護婦が訪れた時に言ってみた。すると、お尻の下に容器を置いてくれただけ。自分でそこに尿をしなければいけない。布団の下にあるのだけれど、なにせ大部屋なので周りには人が大勢いる。そして、わたしはうら若き乙女、とは言えないまでも女性である。それなのに、ベッドの上で尿を自らしないといけない羞恥心。それでも、我慢には限界があった。一度してしまうと平気になり、すぐ容器もいっぱいになるように感じたので、何度も取り替えてもらった。そのため、全く眠ることはできなかった。 お腹に穴を開けられたので、歩くと痛かったが朝方、なんとか一人で歩いてトイレにも行けた。友人に電話をし、迎えに来てもらった。手術をした翌朝8時に退院。日本ではありえない早さ。しばらくは手術の疲れと痛みで安静にしていたが、ずいぶんよくなってきたので、友だちの心配をよそに手術後4日で主人が待つ町に一人で帰ることにした。しかし、安静期間が短かったのか飛行機に乗る直前、友だちと別れてすぐに気分が悪くなってしまった。主人の待つ空港に着いた時は車いすに乗り、顔面蒼白で主人を驚かせてしまった。そんな思いで帰ってきたわたしを主人は至れり尽くせり介抱してくれた。
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