光が射してきた人工授精

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光が射してきた人工授精

結婚してから3年、子宮内膜症と診断されてから2年半が経った。結婚してまだ3年なら子供がいなくても別におかしいことではないのかもしれない。しかし、子供を待ち望んでいる者にとってはとても長く、一日一日が老いていく感じでとても不安だった。「家族」という言葉を聞いてイメージするのはお父さん、お母さん、そして、子供。「夫婦」だけでは「家族」とは呼べない。そんな思いがあった。日本の家族と離れ、一人で海外に渡り、結婚した。主人しか頼る人がいなく、不安だった。クリスマスやお正月はみんな家族と過ごすが、わたし達夫婦は二人だけ。主人の家族は別の街に住んでいるので、ほとんど会うこともない。一刻も早く「家族」が欲しかった。 早速、日本で不妊専門病院に通い始めた。ブラジルにいる時からインターネットでどこに住み、どの病院に通院するかを決めていた。海外でタイミング法、排卵誘発剤を使用していたことを話すと、人工授精から始めようということになった。1回目は陰性。すぐに妊娠できるとは思っていなかったし、人工授精では妊娠できる可能性も少ないだろうと勝手に判断していた。とりあえず、来月も人工授精をしましょうと言われ、2回目の人工授精をした。その時に先生から人工授精は5,6回位してみようねと言われた。先生に人工授精は2,3回だけにしてすぐに体外受精をしたいと言ったが、体外受精は女性の体への負担も大きいし、人工授精で妊娠できる可能性も十分にあるんだからそんなに急ぐ必要はないと言われた。実際、色々な検査をしたが主人もわたしも全く問題はなかった。
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