友人の悲劇

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友人の悲劇

同じ年齢の晩婚組の友人たちも続々と妊娠した。えみの出産予定日は8月。みきは11月。さゆりは1月。そして、わたしは3月だった。みんな同じ年齢で同じ時期に結婚をし、同じような時期に妊娠。今までは不妊の悩みについてみんなで話をしていたけれど、これからは妊婦の悩みを相談し合ったり、これからの子育てについて話をしたりできると思うと幸せだった。 家族や友人もわたし達が子供を強く望んでいたことを知っていたので、妊娠のことを伝えると皆、とても喜んでくれた。特に父には電話でまだ妊娠2ヶ月の時に伝えたのに 「男の子か?女の子か?おなかは大きいんか?」 なんて聞いてきた。このお腹の中に待ちに待った我が子がいると思うと自然と笑みがこぼれた。妊娠アプリをダウンロードして、日々我が子がどんな状態かチェックしていた。妊娠に関する本も購入して、何度読み返したことか。 8月。えみの出産が近づき、えみからの報告を今か今かと待ち焦がれていた。しかし、待ちに待ったえみからのメールには想像もしていなかった言葉が。それは 「死産でした。」 えみにとって初めての赤ちゃん。出産予定日を数日過ぎて、やっと出会えると思い、病院へ行ったのに、医師の言葉は「動いていない。」だった。
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