友人の悲劇

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友人えみのことを思うとわたしも胸が引き裂かれるような思いで、悲しくて悲しくて、どうしていいか分からなかった。とりあえず主人と共にすぐ病院へ駆けつけた。えみの語る言葉を聞き、一緒に涙することしか出来なかった。へその緒があかちゃんの首に巻き付いて窒息してしまったらしい。エコーで気づかなかったのだろうか。もう少し早く病院へ駆けつけていれば、助かっていたのではないだろうか。えみはそんな言葉を口にした。 赤ちゃんの写真を見せてもらったけれど、まともに見ることができなかった。なんて言えばいいのか言葉が出てこない。わたしに出来ることはただそばにいることだけ。でも、わたしは妊娠初期で徐々にお腹も大きくなっていく。子供を失ったえみはきっとそんな姿は見たくないだろう。えみにはわたしはいつでも会いに来るよ。でも、会いたくない時は言ってくれたらいいからと伝えた。 みきとさゆりにはわたしからえみの出来事を伝えた。みんな言葉を失い、意気消沈してしまった。わたし達はとにかく自分たちに授けられた子をえみの分も無事に産もうと話し合った。当たり障りないメールを毎日送り、えみの気持ちを少しでも紛らわすことしかわたしにはできなかった。
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