ナクシビト/ルインレス

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 とある条件を果たして常人を超えた力を得た異能力者の事。警察は一貫して「ルインレス」と呼んでいる。  心身双方で傷を受け(もしくは失った、奪われた)、その苦痛で心が覆われた者が、能力を発生・開花(失くした時期が心身それぞれで異なっていても関係ない)させている。  元々は普通の人間であったため、その外見は常人と変わらず、探知系の同能力を使うかその人物に能力を発動させない限り発見は困難で、区別する方法は無い。彼らは寿命や老衰、飢餓などの人間としての自然死と、同じナクシビトの能力による攻撃以外では死亡する事は無く、地上の英知(少なくとも人間の手によって作られた物)では傷をつける事すら不可能で、体を欠損させる事すら出来ない(死んだ細胞の集まりである毛髪や爪は例外で、散髪などの処理は可能)。更に能力者全員が常人よりもはるかに高い治癒能力を持ち、たいていの怪我は1週間から1カ月、最短数秒で完治、切断傷も完全に再生する。病気も体内及び同じナクシビトによる物を除き基本的にせず、感染症にも罹らない(覚醒直前に負っていた怪我・病気も程度によっては時間がかかるが、覚醒と共に治癒される。アレルギー等、持病のみ治癒不可だが、症状は抑えられる)。因みに五感はしっかりある。  先述の通り、人の手で作られた物では殺すことはおろか傷を負わせることも出来ないため、同じナクシビトに倒させるか、同能力で作られた(加工された)武器で攻撃する必要がある。但し、自身の能力で自身を攻撃(自殺等)する事は出来ず、自分以外の他の能力者の能力で攻撃しなければならない。  半不死以外の特徴として、彼等の体内に流れる血液の色は、どう見ても水にしか見えない程無色透明で、傷口から噴き出す様子は、まるで水が湧き出た様に見える。  ナクシビトの打倒には『普通に倒せば最悪命に関わる』、『江戸時代の復讐みたく、警察の立ち会いが必要になる』らしく、様々な意味でもかなり危険な方法である事が示唆されている。
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