refrain

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 ぼくの人生はきっと平凡で、凪のようだねとみんなは言うだろう。否定はしない。17年間生きてこのかた、感情が揺さぶられたことがほとんどないのだから。友情も恋愛も上辺だけで感情は伴わず、いつだってみんなが一喜一憂する姿を一歩引いて俯瞰するのがぼくの立ち位置だった。  そんな薄っぺらいぼくに顔も見えない他人との交流などできるはずもなく、ノリで始めたSNSは当たり前のように無交流だった。画面をただ漠然と眺めて、気の向いた時に詩のような言葉を流す。誰に向けるでもなく、心に浮かんだ言葉をたったの300字程度に綴るだけ。  文章を書くのは昔から好きだった、でも。飾り気も、技巧もない。だから才能も、きっとない。
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