0人が本棚に入れています
本棚に追加
「お母さんは仕事に行ってくるから、お留守番お願いね。なるべく早く帰るわね。」
「はーい、留守番は任せて。行ってらっしゃい。」
今日は愛犬と留守番だ。
愛犬の名前はチビだ。
チビはお母さんが買ってきた、小型犬のロボットだ。
ロボットといっても、普通の犬と大差はない。
ただ、好きな時に初期化し記憶をけし記憶を消すことができる。
気に入らない性格になれば初期化すればよいのだ。
お母さんにはとても懐いているが、僕には全く懐いていない。
チビはどうやらぼくを格下だと認識しているようだ。
全くひどい話だ。ぼくはチビにご飯を用意していし散歩も連れて行っている。
ガシャーン!!
早速チビは机に飛びかかり登ろうとしていた。
「こらチビ!ダメだろ。」
ぼくはチビを捕まえ叱りつけた。
チビは涼しい顔をしてソファーで寛ぎだした。
「なんてかわいげのないやつだ。」ぼくは机お直しながら言った。
そのあとぼくいつも通り、チビをブラッシングした。
こいつは毎日ブラッシングしても毛が抜け続ける。
「痛い!」
チビはぼくの手に噛みついた。
ぼくは思わずチビを床に叩きつけた。
本当に手間がかかるだれが世話をしてると思ってるんだ。
躾をしても全く覚えないこの犬にぼくは腹が立った。
今日こそはお母さんに言ってこいつを初期化させよう。
お母さんがやっと家に帰ってきた。
「ただいま、今日はどうだった?」
ぼくは早速今日のチビについて話した。
「え!うそでしょ、チビが噛みついてあなたが床に叩きつけた話本当なの?信じられない。」
ぼくは、腕のけがを見せながら
「そうなんだ!危険なんだよ!だから初期化させるべきだ。」
お母さんは少し考えて
「そうね、怖かったよね。本当に可哀想。それに怪我させられたら大変よね…。」
お母さんはそう言いながら、ぼくの背中に手を回した。
「うちのチビちゃんがお手伝いロボットに怪我でもさせられたらたまったもんじゃない。」
そう言ってぼくの初期化ボタンを押した。
最初のコメントを投稿しよう!