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私の仕事は忙しい。
今日も朝っぱらからメールで仕事のスケジュールが送られてくる。
「ふぁぁぁ……今日もスケジュールぎゅうぎゅうですこと」
布団の誘惑と気だるさに襲われながらもベットからの脱出に成功。
運動不足気味の体を引きずり、
ため息まじりの大きなアクビをしながら、キッチンへと向かう。
「あら、おはよう アナタ」
「あぁ、おはよう」
私には妻がいる。
それに中学生の子供も一人。
結婚してもう何年になるだろうか。 かなり長い間一緒にいる気がする。
見慣れた風景、聞き慣れた声、二度と崩れる事のない、いつもの日常。
そう思うと何故か凝り固まった心が
少し柔らかくなる気がする。
「アレ、星太はどうした?」
「もう学校に行きましたよ。 委員会の仕事があるみたいで」
「フム……忙しいな、中学生も」
しみじみそう思う。
私も、青春時代は忙しく動き回っていたものだ。
イヤ、今も忙しく動き回っているのに変わりはないのだが。
むしろ忙しさが倍増した気がするが、考えないようにしている。
それが平和だ。
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