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これは誰の台詞だったか?
髪の長い、四人の女達の中の誰か、か?
それとも?
幸一は考える。
恐怖に顔を強張らせながら、頭の中をグルグル回る誰かの台詞に集中する。
『部長、何か気が付きませんか?』
何に?
『部長、何カ気ガ付キマセンカ?』
誰だ?
『ブチョウ、ナニカキガツキマセンカ?』
この誰かのセリフに自分は何と答えたのか?
『…………ナニカ気ガツ……キマセン……カ……』
ナニニ?
「何に気付いていれば良かったんだ!」
幸一は立ち上がり、叫ぶ。
幸一の叫びに答えるかの様に部屋に再び明かりが戻った。
静かだ。
部屋は静かだ。
幸一が呼吸する音以外は何も聞こえない。
幸一は、目だけ動かし、テーブルの上の小包を見る。
「!」
幸一は目を見開いた。
テーブルの上に小包は変わらず載っていたが、その中身が消えていた。
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