ハッピーレインコート

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 犬を飼ってる人はみんな思ってる、自分の犬がいちばんって。だから、自分と自分の犬の話を書きたがる、さも特別な物語みたいに。でも、他人にとっては、全然特別な出来事じゃない。だって、その犬は誰にとっても特別な犬ではないから、飼い主以外には。  だからこの話、ちっとも面白くないかもしれない。ぼくと小さなテリアにだけ特別な、ハッピーレインコートの物語。  ステラは2月下旬に生まれた。うちに来たのは5月、連休中に仔犬と過ごせるなんて最高だから。でも、あと2ヶ月くらいは、まだ体も弱いから地面を歩かせてはいけない。毎日抱っこして散歩した。  生まれて2ヶ月の小さなテリア。道ゆく人から呼び止められて、なかなか前に歩けなかったね。こういうのは、飼い主の勘違い・・・わかってるけど、それくらい可愛かった。  そろそろ地面に下ろせるようになると、ステラはウサギみたいにピョンピョン跳ねた。そんな走り方をする犬、みたことない。雨水を流す溝(ステンレスのメッシュの蓋があるやつ)を、ふざけてぴょんって跳んで見せたら、それから必ずぴょんって跳ぶようになった。成犬になっても、ずっと。 中央  ペットショップのポラロイド写真 左・右 うちに来た日の写真8a7caf13-1fbc-4c0e-a816-e054b750effd
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