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秘密を漏らさない信用ができる人間として選ばれたのだ。
「五組の○○さんのことが好きなんだ。誰にも言うなよ。俺とお前の二人だけの秘密だぞ」
そう言ったのはクラスメイトだった。空き教室のストーブの前に陣取り、たわいもない話をしていた。何かが溶けてしまった臭いがしてきた頃に不意に私のほうに顔を近づけ暴露してきた。真剣な顔している。
「ああ、分かった」と答えながら、胸が熱くなるのを感じた。私はとてもとても嬉しかった。彼は私だけに教えてくれたのだ。
「もう少しでホームルームが始まるから戻るか」
先ほどと打って変わって笑顔でストーブの前を離れた。
朝の八時半を過ぎている。今から教室に向かえばぎりぎりだなと思いながらストーブの前を離れた。先ほどの温かさが嘘のように肌を突き刺すような寒さが私を襲う。
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