8話 仲良しの友達がいない

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8話 仲良しの友達がいない

 ぼくは今日学校にいく月曜日。ちはるちゃん、きてるかな。ぼくの一番仲のいいおともだちの神田ちはる(かんだちはる)。ぼくはちはるちゃんがすき。おかあさんもすきだけれど。もちろん、おばあちゃんもすき。おとうさんは……わからない。  学校について、ぼくはまわりをみわたした。ちはるちゃんがいない。なんでだろう。かぜでもひいたかな。  二番目に仲良しのよしとくんに話しかけた。 「おはよう、よしとくん。ちはるちゃんしらない?」 「しらないよ」 「そっかぁ」 「教室にいないからお休みかと思った」 「そうかもね」  ぼくはつまらない気分でいると教室のドアがガラガラと開いた。松先生がきた。こわい先生。ぼくは怒られると思ってすぐに自分の席にもどった。でも、クラスのみんなは松先生が来てもしゃべっている。こわくないのかな?  松先生はパンパンパンと手をたたいた。 「みんな、座れよ。朝の会をやるぞ」  がやがやしながらみんなは席についた。松先生は周りを見ながら、 「はい、おはようございます!」  と、大きな声であいさつした。みんなもそれに習って、 「おはようございます」  とあいさつした。松先生は笑顔をうかべた。 「はい! よくできました。先生からみんなに話したいことがあるんだ。明日、教育実習生がくるんだ。先生になるための勉強をしにね」  クラスで一番成績のいい海斗君がしゃべった。 「その人は男? それとも女?」  松先生は、 「女の人だ。22歳」  クラス中がざわついた。「女だってー。やさしいのかな」と口々に話し始めた。 「ほらほら、静かにしなさい」  とまた手を叩いた。 「先生もまだ会ったことはないけど、明るくて優しい人らしいぞ」 「へーそうなんだ」  と、海斗君は言った。  ぼくはどんな人かワクワクしてきた。
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