常連客

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頭を打ったが、軽い怪我で済んだ。現場に居合わせたのは誰もいなく、大男が来たことは誰も知らない。先輩も気がついていなかった。何か大きな物が落ちて、勤務中に怪我を負ったということになり、治療費は会社から出た。お金の面では心配が無いし、体も大丈夫そうだから、私は翌日も出勤することになった。   今日の店内はいつもとは少し違っていた。レジの前には恵方巻、そして中央の通路には大豆が沢山置いてある。  21時を過ぎた。人はまばらだが、恵方巻や大豆が売れていく。  ・・・・・あれ・・?  昨日はさておき、いつもの時間になっても常連客は現れなかった。何かあったのか?というか、昨日は一体何だったのだろうか。出入口の方を見る。人気はない。いつもの場所を通り、商品を確かめに行く。うん。商品はちゃんと置かれている。私は店の一番奥の通路を通った。この陳列棚には、乳製品やベーコン、そして珍しいことにバナナ、リンゴ、そして桃といった果物も置いてあった・・・。・・・桃・・?   ・・・!?  その時、私の頭の中で何かが繋がった。ピーーーンという音がしたように。 私はゆっくりとレジへ戻った。レジの精算を始める。今日も寒いからか客は全然来ない。おかげで苦労することなく終えることが出来た。  22時。上がりの時間になった。引継ぎを終え、バックヤードで着替える。   帰ろうとしたとき、夜勤の人に声をかけられた。聞くと、いつも必ず売れる商品がまだ残っているということだ。    私は言った。 「今日は来られないのですよ。ただでさえここに入るのがやっとだし、今日はむしろ追い出される日ですから」 終
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