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大男は商品を持ってきた。店内は静まり返ったままだ。私は恐る恐るスキャンする。
「どうした?」
大男はいつもの優しい口調で話しかけてくる。
「えっ、いや、まあ・・・」
「俺にとっては狭い世界になってしまった。いや、私がそうしてしまった。だから時には切り開かなければ生きていけない」
「は、はあ・・・?」
「それにしても君、少し臭うね。ここ三日間いなかったようだが、どこか行ってきたのか」
大男は目を見開いてのぞき込んできた。私は額から汗がだらだらと流れ落ちる感覚を味わっていた。
「り、旅行です。場所は・・」
「いや、言わなくていい。言わなくていい。俺が悪かった」
大男は出て行った。その後大学生の集団も引いていった。やはり何が起こったのか分らなかった。
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