美人の薬と美人の条件

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 「ランカ。お使い頼む。あのレンさんのところのフランスパンをお願い。」 「はーい。おばあちゃん。ほんとにお気に入りだね。レンのパン屋さん。」 「気に入っとるのは、ランカもじゃろ?遅くなるようじゃったら、送ってもらいなさいよ。レンさんにね。」 「お、遅くならないようにするもの!じゃあいってきます!!」 あれから3ヶ月。 レンは本当にパン屋を開いた。優しい味のするパンは村でたちまち大人気になった。それが自分のことのように誇らしく感じる。暮らしの中で私達のペースで歩いていくのは…幸せな日々で。 今日も出かけようと、扉に手をかけると、おばあちゃんがまじまじと私を見て笑った。 「ランカ。あんた最近キレイになったね?」 「そ、そうかな?あんまり変わらないような気がするけど。」 するとおばあちゃんは鼻を鳴らした。 「ふふん。知らんのか?『美人の薬』は『恋をすること』。『美人の条件』は『笑顔でいること』じゃからな。そのどちらもが揃って、初めて人は綺麗になれるんよ。」 気がつけば、荒れていた肌も、みずみずしさを取り戻し、光るようになっていた。それは、私が自分のことをちゃんと大切に出来るようになったから。 綺麗でありたいと願うようになったから。 美人の条件を身に着けて、私はレンに会いにゆく。
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