5人が本棚に入れています
本棚に追加
「危ない。焚き火もある。怪我をするぞ。ランカ。」
「あ、…レンか。ありがとう。」
ハルトではなくて少しだけ落胆する。まあ、寝たら起きないハルトが助けてくれる訳ないか。
レンはいつも通りあまり変わらない表情をしたまま、そっと離してくれた。
「ごめん…起こしちゃった?」
「別に…俺はいつも眠りが浅いから。ランカ。見張り変わる。ちゃんと寝ろ。」
「で、でもレンこの前もそう言って変わってくれたわ。私は平気。ハルト達みたいに近接戦じゃないし。」
「魔法は自分の精神力にかかってるだろ。ランカだって疲れてる。…最近特に。」
レンの碧の瞳が、心配そうに揺れていた。レンがばさりと上着をかけてくれる。驚いたが、それは暖かかった。
「心配してくれてありがとう。本当に大丈夫だから。ハルトに迷惑…かけない様に…しなきゃ。」
だんだん瞼が重くなってきた。
ああ、結局代わってもらっちゃった。私がちゃんと…しないといけないのに。迷惑かけて、ハルトに嫌われたくない…のに。
そのまま私は眠りについた。
かけられた上着は優しい匂いがした。
最初のコメントを投稿しよう!