美人の薬と美人の条件

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 「これで最後だっ!ファイナルエクスプレス!!」 あの日から半年後。私達はやっとのことで魔王を倒して、世界に平和を取り戻した。最後の一撃を決めたハルトは本当にかっこよくて、みんなボロボロになっていたけど、彼の笑顔で救われた気がした。 「やったわね!ハルト!!」 アルテがハルトに駆け寄り、無骨なガルドですら、涙を浮かべていた。ハルトは晴れ晴れとした表情で、私たちのところへ寄ってきた。 「みんなのお陰だよ!アルテ・ガルド・レン。そして、ランカ。ありがとう。」 名前を呼んでくれた。それだけで私は嬉しくて。少しだけ浮かれた気持ちで、ハルトに話しかけた。 「…か、かっこよかったよ。ハルト。」 「嬉しいなランカ。僕達は最高の仲間だっ!」 その横顔はやっぱり凛々しくて、焦がれる気持ちは抑え切れないほどだった。 でも、その時の私は少し浮かれていたのかもしれない。 ヒーローには必ずヒロインがいることを忘れていたのだから。
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