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部員候補!!
「次は部員集めか」
自分はまだ一年生なので、部員の収集は一年生に限る。まずは自分の教室に張り紙を張ることからだ。
任侠部!!入部者募集中!希望者は南側の空き教室まで!
-空き教室-
かれこれ一時間ほど待っているが
「虫すら来ない!!!」
もう放課後と呼ばれる時間帯になってしまう。とそのとき。
「あのぉー」
消え入ってしまいそうなぐらい小さな声だったので、空耳かと思ったがそこにはちゃんと人がいた。
「入部希望者ですか!?」
入部希望者がほとんど来なかったので前のめりで聞いてしまった、ちょっと引かれたようだ。
「いえ、もう下校時間過ぎてるので注意しに」
こんな所まで注意しに来てくれるとは、これは従わざるをえない。
「...はい、分かりました」
すぐにカバンに荷物を詰めて下駄箱まで行った。耳を澄ませてみると遠くの方から声が聞こえる。
「...が.る...うきわる」
聞こえにくい。もう少し近くまで寄れば聞こえるか。
「お前がいるから空気悪くなってんだろ!」
どうやらいじめらしい。仮にも任侠部の一員だ。困っている人がいたら助けなければならない。
「おいお前、その辺にしとけよ」
トーンを低くして言ってみた。だが怖がる様子はなく、こっちに振り向きすごい形相で俺を睨んできた。
「オメーにはカンケーねぇだろーが!」
肩を押されるのは予想の範囲内だ。すぐに避けられる。
「っ!てめぇ!」
避けられたあとに顔面を狙うのもだいたい予想がつく。
「おま!ぐふ!!」
親指を横隔膜にねじ込んでみた。これが以外と効いたようだ。息が出来ないほど苦しそうだ。可愛そうに。
「お...ぼえて...やがれ」
そいつは腹を抱えながら逃げていった。そいつの背中が見えなくなるまで見届けると、いじめられてたやつの方を向いた。見てみるとそいつはさっき注意しに来てくれたやつだった。
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