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風紀委員か!!
「じゃあ今日から見回りをしていくから。一人一人違う場所で仕事をしてくれ」
まだ部員は三人しかいないので、見回りは大変だ。もっと部員をかき集めなければいけない。
俺は校舎内で見回りをしていた。困っている人がいたら助ける。それが任侠部だ。おっと早速。重そうな教材を持っている担任の男教師がいた。
「先生、持ちましょうか?」
「ん?おお、すまねぇな」
やはりいいことをすると清々しい気持ちになる。俺が任侠部を作った理由のひとつがこれだ。いいことをすればされた側は、自分がされたことを他の人にもしてあげたいと思うし、いいことをした人はそれを継続しようと思う。悪い事でもそれが言える。
「ちょっと失礼」
「はい?」
俺に声をかけたのは風紀委員長である桜田 憂太だった。リアルな世界でいうところのサツ(警察)だ。
「あなた、任侠部の部長ですよね?」
「ええ、まあ」
鋭い目付きが特徴的なそいつは、口を開いた。
「部活止めてもらえませんか?」
「...は?」
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