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極道の男!!
「幸次郎、いいか?」
紅葉が舞う道の真ん中で、しゃがみながら父さんは俺に言った。
「世の中には悪人はごまんといる。善人なんざほんの一握りさ。悪人になるのは簡単だ。善人になれと言われてすぐ善人になれるやつはいねぇ。お前はその、なるのが難しい善人になれ」
そのときの目がとても優しかったことを覚えてる。それに片目が開いてなかったことも。俺はそんな父親の目がとても好きだった。だが。
「おやっさん、なんで」
親父は死んだ。後ろから他の組の奴に打たれたらしい。親父に息子は俺しかいないってんで俺が組を引き継ぐことになった。
そんな俺も、もう高校生になる。引き継ぐ意思はあったが組のやつらは俺に期待してないらしい。と言うことは、俺が成果を挙げれば認めるって言う訳だ。だから俺は学校で
『任侠部』を開くことにした。
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