94人が本棚に入れています
本棚に追加
やはりお気付きになられましたね…
そうです。私は、ナルです。
ツグミを責めないでください。
ツグミは私に今夜、体を譲ってくれただけ。
初めての夜を、大切な夜を、私に譲ってくれた。
ツグミは本当に私を大切にしてくれた。
私の最後の願いを叶えるため、ツグミは謀反のことを進言したんです。
全て上手く行って良かった。
私の最後の願いは兄上と一夜を過ごすこと。
ツグミは私に別れの機会をくれたんです。
ツグミは兄上を心から愛しています。
兄上の側にいたかったから、敵国で病気の皇子の世話をする日々を受け入れていた。
中身のないツグミはただの入れ物。
兄上が愛しているは入れ物ではない。
あの清らかなツグミ自身だとわかりました。
後宮は皇帝を癒す場所。
ツグミなら、兄上を癒してくれる。
兄上の中で、私は美しい思い出になれますね。
兄上と思い人を繋いだ弟のままでいることができる。
でも、今は私だけを見つめて、私だけを抱きしめて。
最初のコメントを投稿しよう!