後宮の夢

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 やはりお気付きになられましたね…  そうです。私は、ナルです。  ツグミを責めないでください。  ツグミは私に今夜、体を譲ってくれただけ。  初めての夜を、大切な夜を、私に譲ってくれた。  ツグミは本当に私を大切にしてくれた。  私の最後の願いを叶えるため、ツグミは謀反のことを進言したんです。  全て上手く行って良かった。  私の最後の願いは兄上と一夜を過ごすこと。  ツグミは私に別れの機会をくれたんです。  ツグミは兄上を心から愛しています。  兄上の側にいたかったから、敵国で病気の皇子の世話をする日々を受け入れていた。  中身のないツグミはただの入れ物。  兄上が愛しているは入れ物ではない。  あの清らかなツグミ自身だとわかりました。  後宮は皇帝を癒す場所。  ツグミなら、兄上を癒してくれる。  兄上の中で、私は美しい思い出になれますね。  兄上と思い人を繋いだ弟のままでいることができる。  でも、今は私だけを見つめて、私だけを抱きしめて。
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