魔法のシャンプー

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夫は夕食の時間になっても帰ってこなかった。 仕事で遅くなると連絡が入った。 最近では、朝は早くから家をでて、夜は遅く帰り、土日も出社することも増えている。 今夜も深夜に夫が帰ってくるとひどく疲れた顔をしていた。 私は早速今日の美容院の話をし、シャンプーを渡した。 「はは、本当にそんなことがあるのかい。これからお風呂に入るからやってみようかな」 「そうよ、きっとリフレッシュできるわ。いつものシャンプーに手のひらに500円玉ぐらいの量を入れるのよ」 「わかったよ、いろいろ心配かけてすまないね」そう言ってお風呂場にいった。 風呂場からは鼻歌が聞こえてきた。 どうやら効果はでているようだ。 首にタオルを巻きながら夫は風呂場から出てきた。 「このシャンプーはすごいね、少し使ったら本当に悩みや水に流れていくようだったよ。 あまりに気持ち良かったから全部使ってしまったよ。」 夫の右手には空の小瓶があった。 「あなた、すっきりした顔してるわね。またシャンプー貰ってくるわね」そう言って小瓶を受け取ろうとした。 「ところで、あなたは誰だっけ?何でここにいるんだ。」と夫は私を見ながら言った。
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