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恐らく、これからも本人にはきっと言えない。
『恩師だけに捧げる本音』
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「…で?次は綾瀬の番だけど。好きなところは?」
「……」
「どうせお前はダメダメだから桔帆本人には言えないでしょ。
僕が代わりに聞いてキュンとしてあげるから。」
「…うざ。」
「言わないと、僕この論文書き上げないよ?」
「なんだこの教授。」
「はーやーく。」
「…挨拶。」
「ん?」
「俺とどんなに言い合いしても。
絶対、自分が出て行く時とか、俺を見送ったり出迎える時にちゃんと挨拶してくるとこが、まあ、」
「可愛いよね?めっちゃ可愛いんだよね?」
「うぜえ。」
「そのやりとり、永遠に僕は傍で見守っていたいなあ。」
「見守るってか、楽しんでんだろうが。」
「違うヨ?」
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「明日、職場近くまで迎えに行くから外で晩飯食うか」
と提案すると、桔帆は頷いて嬉しそうに微笑んだ。
多分待っている俺を見つけて「ただいま」と、どこか気恥ずかしそうに、でもちゃんと告げて駆け寄ってくる姿が見たいとか、そういうことも全て。
俺を"一番弟子だ"と言いながらも
常に揶揄ってくるのが、趣味みたいな。
いつだって眩しい笑顔を浮かべていた
ただ1人の恩師だけが、知っている。
fin.
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