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わーーーーーーーっ!
周りを取り囲んだ群衆が、一斉に歓声を上げた。見事な舞台を見た後の、満場の拍手。まるでそんな雰囲気だった。いつの間にか数十人にも膨れ上がった群集は、盛大な拍手で純一の今の行為を称えていた。よくやった。よくやったぞ!
純一は、今やある意味ヒーローだった。純一もまた、その拍手に応えるかのように、取り囲んだ群衆をぐるりと見回した。そして。つい今しがた、訪問者の命を奪ったナイフを高々と頭の上に差し上げ。血まみれの両手を広げ、群集に向かって叫んだ。
「さあ! 今度は……俺を、俺を殺してくれ! 今すぐに!」
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