鏡の王子様とシンデレラ

特別メニュー

　
「････お茶、飲んできます」

『スポーツドリンクは糖分過多になるから控えろよ。塩分は塩タブレットで補給だ』

「はぃ」

『戻り遅れたら、遅れた秒数分背筋の回数を加算するぞ』

　それを聞いて急いで台所に走ってお茶を飲み干し、すぐさま部屋に戻った。トレーニング用のジャージが既に汗まみれだ。

　王子が考えた「特別メニュー」は腕立て伏せ、腹筋、背筋を各百回、毎日こなすんだとか。
　何も運動をしていない私が、腕立て腹筋背筋の各百回ずつのトレーニングなんて無茶だよ、とミラー王子に抗議したが一蹴されて今に至る。

　もさっとした髪型も注意され、ミラー王子指導の下、髪の毛を切る事になった。勿論髪の毛を切る専用のハサミなんか持っていないから、先日通販で買った。まもなく届く予定だ。
　ヘアセットも全くできない私に指導をつけると言って、ゴムやらヘアブラシを買ってくるように要求されたので、言われた通り買ってきた。ヘアアイロンは辛うじて持っていたので買わずに済んだが、一回も使った事が無い。ドレッサーの下段ボックスに入れっぱなしだった。
　持っていなかったヘアブラシなんかを買った事を告げると、ふん、と鼻で笑われた。