鏡の王子様とシンデレラ

ヘアスタイルを整えて

　
『じゃあ早速、ハサミを使って前髪から切るぞ』

「ちょっと怖いなぁ」

『心配するな。前髪を作るだけだ。何時も適当に流しているだろう？　これを真ん中で分け、ハサミを均等に入れて行く。難しく考えるな。俺が指示する、大丈夫だ。やってみろ』

「うん」

　言われた通り、届いたばかりのカットハサミとすきバサミで早速前髪を切る準備をした。

『顔周りの髪を少し残して、前髪だけを取り分けてダッカールピンで固定するんだ。そうだ、上手いぞ。両サイドが均等になるように』

　ミラー王子の言われたことが、上手く実践できるようになってきた。最初の頃のブローやブラッシングが下手過ぎて、ボロクソに言われたのが懐かしい。私も成長したなぁ。

『一気に切ったらとんでもない事になるから、真ん中から少しずつ切れ。指で挟んで、縦にカットハサミを少しずつ入れて切るんだ。少しずつやるのがコツだ、忘れるな』

　教えてもらった通り、少しずつ気を付けて切ったら上手く切れた。
　まるで美容師にカットしてもらったような、可愛いすっきりとした前髪の自分が映っていた。