エピローグ

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 次の日、札幌の自宅兼事務所。  朝6時、まどろみの中目を覚ますと……、 「おはよー」  聞き覚えのある声がする、これは、カナ!? 「おはようございます!」  あの少女までいる。これはどういうことだ!? 少女が口を開いた。 「麗奈さん、こないだはカナのために色々とありがとうございました」  彼女のため? でも彼女、成仏していないじゃない。 「あー、私は成仏なんてできないよ、もともと幽霊じゃないしな」 「幽霊じゃないってどういうこと?」 「付喪神(つくもがみ)ですね。彼女は苫小牧駅にあった古いディーゼルカーに宿っていたんですけど、もうすぐあの車両も解体されることになったので、このままではカナさんは消えてしまいます。そこで、世話をしてくれる人を探していたんです。あ、私は、地域神のあおばと申します」 「だましたことはあやまるけどねー、そーゆーことだから、ま、よろしく」  だました、ってことは……、幽霊騒ぎは彼女たちのしわざ? あおばが話を続ける。 「幽霊退治の依頼は、苫小牧駅の駅長さんにカナさんを見てもらって出してもらいました。何名かの除霊師を見たのですが、あなたがたでしたらともに助け合っていけそうですし、これからのカナさんを任せられそうです」 「そーゆーわけってこと、だましてごめんな」  そうか、と思った。こんな形で神様のパートナーになるなら、それも悪くない。  ちょうど助手も欲しかった、カナは口は悪いが、根はいい子だと思うし。願ったりかなったりかな。 「わかったわ。よろしくね、カナさん、そしてあおばさん、ありがとう」 「「どういたしまして」」 「それじゃ、早速だけど、あの甘いものが食べたいな、オバさん」 「オバさんって言うなー!!」  前途は多難だけど、ちょっとだけたのしくなりそうな気がした。
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