夜の花弁

日常

「るいさん、今日も予約入ってますよ」

そう伝えてくるのはオフィスレディでもなければ

新卒の営業マンでもない。

ここは夜の世界。

普通の生活を送っていれば、ここで生活するような
ところではない場所。

るいは私の名前。

正確には山城涙。もちろん本名ではない。

夜を生き抜くためのもう一人の私。

本名？

何だっけ。

必要ない。