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(なんで俺って、佐々木が好きなんだろうな・・・。) 冒頭の飲み会で考えていたのと同じことをここ最近村上の頭が占めている。 (村上は、黒髪のショートで可愛い系の子がいいんだよなあ。お〇ぱいもデカくて、大人しくてナチュラルメイクか・・・。) ここまでくると、もはや一かけらの可能性も無いことは明らかなはずである。しかし、そんなことで諦められるものではない。いや、本当に人を想うようになった時、それはもはや諦める諦めないの次元ではなくなってくる。心からの片思いは永遠にその人の深いところで生き続ける。ただ、片思いの最中はそんなことに気づく余裕も無いだけである。 (佐々木の好きなとこ・・・) 村上は、佐々木と出会ってから恋の落ちるまでの日々を反芻し始めた。 (笑った顔がキュウってなるとこ。意地悪なのに本当は優しいとこ。良い匂いがするとこ。俺が行きたい店に必ず連れてってくれるとこ。彼女ができても俺をないがしろにしないとこ。俺のゲイっぽい冗談を拒否せずに笑って受け入れてくれるとこ。瞳がキラキラしてるとこ・・・。)  結局、それらの全てが理由であり、その理由の一つ一つが佐々木という人間を構成している。好きな理由を玉ねぎの皮のように外側から一つ一つそぎ落としていけば、どこかで恋が解ける層にぶち当たるのか、しかし、それは佐々木と言えるのだろうか、と村上は考えた。  いくら考えても答えは出なかった。ただ確かなことは村上は佐々木の全てを愛したかった。瞳も手も匂いも笑顔も二人でいる時の空気もそして×××も。そして自分の愛しただけを愛してほしかった。×××がついててもお〇ぱいがなくても気にしないでほしかった。むしろそれを愛していた。そして、もし佐々木に筋肉よりも脂肪が多く、月が満ち欠けするように体が変わり、×××のところに△△△が付いていたとしたら、他の部分が同じでも愛せないだろうと分かっていた。相手にはそれと同じことを期待しているくせに。
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