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プロローグと女主人とエントランス
ようこそ、おいでなさいました。
ここは、異世界温泉郷。
独立した時間と空間をもち、
数多の神・英雄・勇者・化物・魑魅魍魎が集う場所。
今宵も宴を繰り広げます。
私は、ここの女主人ノエと申します。
あなたは、っと。
いえ失礼しました。
ただの人間のかたは珍しいので。
ああ、いえいえ、人間のかたは、ほかにもいらっしゃいますよ。例えばあそこにいらっしゃる女性。
あの方は、有名な女剣豪のようですね。
ほかにも、今食堂には、世界を救った英雄。
お風呂場には、新進気鋭の講談師、遊技場には神域と謡われたギャンブラー、格闘場には最強とされる格闘家、ほかにもいらっしゃいます。
ですが、そうですね。
貴方のような、いかにも普通の女性のかたは珍しいので、少し驚いてしまいました。
あ、いえ、貴方は。
なんでもございません。
気分を害されましたらお詫び申し上げます。
ここは、エントランスホールになります。
館内図はこちらになります。
え?何をすればよいのかって。
それは、皆さん思い思いに過ごされてます。
お金?ああ、貴方の世界では通貨というものがありますね。ここでは不要ですので、ご安心ください。
え、代わりのものを要求される心配?
ふふふ、悪魔のかたじゃあるまいし。
対価はいただいておりませんよ。
ついでに聞かれそうなので、先に答えますと、時間もいただいておりません。
いつまでもここでご滞在いただいて構いません。そして館内の食べ物、飲み物、サービスに費用は発生いたしません。
少し安心されましたか?
では、ごゆっくりおくつろぎくださいませ。
改めまして、ようこそ異世界温泉郷へ。
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