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その夜、泰雅からメールが届いた。
食い逃げしといていい度胸だぜあのガキ。
だが、タイトルが「騙されたかも」だったので許すことにした。
心の広い親友として、俺はメールの中身をいそいそと確認することにした。
「デートの最期、いきなりホテルに誘われた。本物のベロニカはいきなりそんなことしない。姫にしては節度ってもんが無さ過ぎる気がする」
脳味噌の代わりに幸せガスでも詰まってんのかな。
「馬鹿だな、何百年お前のこと待ってたと思うんだ。お前への想いが溢れ出しているんだよ。それを受け止めないで、何が愛だ。お前、本気で彼女のこと愛しているのか?」
折角なので焚きつけてみる事にした。二人合わせて最低でも五千円分は俺を楽しませてもらわないと。
「確かにその通りだった。僕は知らずのうちに臆病になっていたのかもしれない。ありがとう心友。早速ベロニカに謝ってくるよ」
何て単純な奴だ。まあ、賭けても良いがベロニカは話を合わせてただけだろう。あんな大食い女が姫であって溜まるもんか。食い逃げ女に精々お前もカモにされろ。
俺はショックで泣き伏せる泰雅を妄想し、大変に満足してその日は床に就いた。
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