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その日はいい天気だった。
二十五歳の野郎二人で映画館に行き、脳味噌を空っぽに出来るアクション映画を堪能した。
ちなみに二人とも彼女はいない。
その後、映画の感想を言い合うためにその野郎二人、つまり俺と泰雅は映画館近くの喫茶店に入った。
「コーヒーとサンドイッチで」
そう注文したのは俺だ。
時間は午後四時。
小腹が空いていたのだ。
「僕はケーキセット。ミルクティーと……フルーツタルトかなぁ」
そう頼んだのが泰雅だ。
サラサラの明るい茶色の髪。
整った顔立ち。耳にはピアス。
口調通り、男子にしてはちょっと色白で線の細い感がある。
いわゆる頼れそう、というのとは別個の生き物と言ってもいい。
泰雅と俺は中学時代からの付き合いが続いている。
悪い奴じゃないが、ちょっと変わったところがあるやつだ。
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