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「えー、で…感覚設定………あ、同意書?ふんふん…悪影響があっても自己責任?…いや、娯楽ってそういうものでしょ?作り手側が意図して設定したセーフティを無視するなら、相応のリスクを負わなくちゃ。」
チェックボックスにチェックを入れて、感覚設定を全て最大まで引き上げる。
次の瞬間、押し寄せる五感に目を見開いた。
「………………暁兄の言ってたことの意味が、ようやく解った気がするよ。これが、この世界の色か。これが、この世界の音か。これが、この世界の匂いか!」
『感動にうち震えているところ申し訳ありません。戦闘チュートリアルを開始してもよろしいですか。』
「もう少し待って。………よし、切り替えよう。チュートリアル開始。」
『戦闘チュートリアルの為、敵性mobを召喚します。』
音声とともに、ポリゴンが収束する。光が弾けて、水っぽい質感の粘りを帯びた球体が現れた。
『このゲームに、RPGのようなコマンドは存在せず、戦闘は実際にアバターを動かして行います。フェーズワン、その粘体球を撃破してください。』
「ほいっ。」
電子音声の指示の直後、shYnoの手が淀みなく動いて、球体の中央に浮かんでいた色の違う硬質な球体を貫く。
『フェーズワン、クリア。報酬として、割れた粘体球核がインベントリに送られます。続いて、フェーズツーに移行します。再度、敵性mobを召喚します。』
再び、粘体球が召喚される。
『フェーズツーでは、技能及び技巧の解説を行います。技術は大別して能動的技能と受動的技能に分類されます。またその分類と別に、武器技能が存在します。能動的技能には剣術、槍術等の武器戦闘技能、各種属性魔法等の魔法戦闘技能等があります。受動的技能には各種耐性、HP・MP自動回復、SP高速回復等があります。武器技能は、武器を装備することで自動的に獲得できます。』
「技能は大体理解した。技巧は?」
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