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朗らかに笑いながら、shYnoはゆったりと歩き出した。
「(衣:で、詩音。結局何処に行く?)(詩:このまま東だよ。)……おん?」
進めていた足を唐突に止め、唸りながら首をかしげる。
辺りを見渡して、軽く首を振ると再び歩を進めた。
「(喜:何じゃ、詩音。なんぞ気になることでもあったかぇ?)(詩:鑑定されたときの皮膚に何かちくちく刺さるような感触があった。……やっぱり。遮断がログに残ってる。)(衣:見つけ出して殺す?)(詩:必要ない。多分……ほら来た。)喧嘩売りに来たって解釈で良いの?回れ右してどっか行くなら何もなかったってことにしとくけど。」
街を出た直後に投げつけられたナイフを、指二本で挟んで止める。
止めたそれを足下に投げ捨て、ナイフの主を睨み付けて、静かに鋭く警告を発した。
「ギャハハハハ!おもしれぇなお前!このゲームはPKもあり、現実じゃ許されないようなことが大体なんでも出来る、正しく夢の世界なんだぜ?」
「……丁度いいや。じゃ、お前実験台ね。」
受け取ってから、実体化させたまま腰に佩いていた木刀を抜き放ち構える。右足を引き、木刀を右脇に取り、剣先を後方に向ける。脇構えと呼ばれる体勢を取り、男を睨み付けた。
「ヒャハ!そんな棒切れで何が出来る!おぉら、死ねぇっ、げぶらっ!?」
「動き出しがとろいんだよ。というか、それ以前にまず、無策で空中に跳ぶなよ。ほら、うちはこんな玩具要らないから返すよ。」
「ぎゃああああ!?」
飛び掛かる男の横腹を、木刀で強かに打ち据える。
地面を転がり悶絶する男の右目に、自然な動作で拾ったナイフを突き刺した。
そしてshYnoが、突き刺したナイフの柄に足を乗せる。そのまま足に全体重を掛けて、ナイフ毎男の頭を踏み抜いた。
生々しい音を立てて、男の頭が踏み砕かれ、残った体がポリゴンと化して崩れ去った。
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