1人が本棚に入れています
本棚に追加
「問題解決!さて、親玉やられたけど……お前らも同じところに行くか?」
「に、にげろ!」
まだ残っていた蛙魔人達が、蜘蛛の子を散らすように逃げていく。
「なんだ、逃げるんだ?歯応え無いなぁ……」
「そりゃそうだろ、あんなボコボコにされて逃げない方がどうかしてらぁ。って、うおっ!?」
「まだちょっと精度が甘いなぁ……あと3㎝右なら当てられてたのに。つっかけてくる様子がなかったからスルーしてたけどさ、お前、うちが蛙どもボコってるときから見てたろ。」
背後から聞こえた声に、振り向きすらせずに縦拳を突き出す。空を切ったその拳は、男の頬すれすれを掠めていた。
「待て待て待て、敵意はないって!」
「生憎、友人と家族以外は基本的に信用しないことにしてるから。そもそもさ、弾いたけど無許可で鑑定当ててきてる時点で説得力無いよ。」
未だにバチバチと火花を散らす拳を、男に向けて構える。
敵意が無いことを示すように、頭上に両手を挙げる男を見ても、shYnoは構えを解かない。
「通りの悪い得物持って湿地帯にソロで入るバカ見たら誰だって気になるだろ!?つか、魔法職だろうに何で杖」
「それ以上詮索するなら、マジで殺すよ?今すぐ、うちの前から失せろ。二度は言わない。……Gein、ね。警戒されたくないなら、名前のチョイスミスってるよ。」
「は?いや、何を……いや、いい。悪かった。いきなり後ろに現れたら、誰だってそうするわな。」
そう言って、男は両手をあげたままゆっくり後退る。
「言っとくけど、そこもうちの射程圏内だぞ。」
「……魔法使い系なら当然だろう?」
「いや、そこなら一足で間合いを詰められる。一撃で首を蹴り折って、仕舞いだ。」
最初のコメントを投稿しよう!