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「……身のこなしで薄々察しはついてたが、同類かよ……。」
「……あ?」
「てめーも、リアルでなんか武術やってる口だろ?」
「……その口、閉じろ。それとも……死ぬか?」
「…………いや、違ったみたいだ。少なくとも、俺みたいなクソじゃ無さそうだ。……なあ、白いの。」
「……何。」
「一手、立ちあってくれよ。」
「……それ、うちにメリットは?」
「お前、我流だろ。ちゃんとした流派の技が見られるぞ。」
「……5分だけ相手してやるよ。」
飛沫を上げながら、shYnoが大地を踏み鳴らす。
「そう来なくちゃ。……悪いな、無理言って。」
「謝るくらいなら最初からつっかからないで?……しゃあああっ!!」
「はああああっ!!」
呼応するように構えた男と、どちらからともなく声を上げ駆け出す。
互いに初撃から頭部を狙う。男は拳打で、shYnoは貫手で殺しに掛かる。
見え見えのそれを互いに首を傾げて躱し、次の一撃の為に四肢を動かす。
手足が激しくぶつかり合い、両者全く譲らない。
「はっ!しっ!ぉぉおおおっ!!」
「ふっ、しっ……かぁっ!」
男の正拳がshYnoの頬を掠める。shYnoの目潰しを男が大きく体を捻り躱す。捻った体を戻した男の右側頭部に、即座に身を翻したshYnoの裏拳が炸裂した。
堪らず怯んだ男の腹に、強烈な回し蹴りが入り、男が蹈鞴を踏んで後退る。
劣勢にも関わらず、男は口の端を歪めて笑った。
「これだよ……こういうのを待ってた……!!」
「うわ、蹴られて喜ぶとか……」
「ちげーよ。同門の連中、話にならねぇ雑魚ばっかでさぁ……餓えてたんだ。まともにやり合える相手ってやつにさぁ!!」
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