scene 3

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scene 3

小さな建物の並ぶ町並み、その中心にある大きな噴水。 その噴水の前に、人一人ほどの大きさの光が現れる。 「………ここからゲーム本編って訳ね。」 光の中から現れた色白のオッドアイの少女が、静かに首を鳴らす。 「縁のやつ、メッセージ飛ばせとか言ってたよね………えー、と…『ダイレクトメール』?これでいいのかな?」 複数のホログラムを空中に浮かべ、黙々と操作する。そのうちの便箋を模したものに文字を打ち込むと、独りでにホログラムが折り畳まれホログラムの封筒に収まる。指でフリックして弾くと、封筒は何処かへと飛んでいった。 「やり方これであってるのかな…うわっと!?」 耳元で通知音が突然鳴って、驚いたshYnoが跳び跳ねる。 「………なんだ、縁…だよね?bonds…(ボンズ)とはまた安直な…どうせ自分の名前から連想ゲームして決めたんだろうけど。えー、何々?『すげーだろ?これを詩音自身の五感で感じてほしかった。もうしばらく合流出来そうにないから、先にレベリング行ってて。初心者におすすめの狩り場は南の平原なんだけど、詩音の腕前なら西の森か東の湿地帯でもいいかも。P.s疫のやつもやってるから、金髪碧眼のねばついた笑みを浮かべたやつが近づいてきたら気を付けろ。』?…成る程、合流目的でメッセ飛ばさせた訳じゃないのか。『今初期リス地点で噴水背にして立ってるけど、東ってどっち?』っと。…返信早いな。『噴水背にして左手側。というか、ミニマップに方位磁石ついてるよ。』…ってことはあっちか。『thx』…これでOK。んじゃ、行きますかぁ!」 勢いよく走り出した、その数分後。
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