scene 2

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殺風景な灰色の空間に、突然少女が現れる。 「おー、こんなんだったな…デフォルトのロビー。全く弄ってなかったの忘れてた。」 少女こと詩音が、そう呟いて首を回す。 「さて、データのロード待ちの間に動作チェックを…っと!」 言うが早いか、滑らかにバク転する。 バク宙、前宙、ロンダート等、様々なアクロバットを披露して、満足げに頷いた。 「うん、現実(リアル)とほぼ同じ。物理エンジンがおかしくなければ、問題なく動けそう。」 そう溢す詩音の耳に、何かを知らせるように小さな電子音が入る。 「お、ロード終わったか。さて………新規ログイン。タイトル、ディファレント・ディメンション・オンライン。」 『認証開始………該当アカウント無し。ようこそ、新規ユーザー様。アカウント登録を開始します。ユーザーネームを入力してください。』 「えー………shYno、っと。」 『確認中………重複無し。決定後は変更できません。shYnoでよろしいですか?』 「OK。」 『認証中………登録しました。続いて、ゲーム内アバターの詳細設定に移行します。』 電子音声が木霊して、一糸纏わぬ詩音の姿が詩音の目の前に現れる。 「んー…そんなに弄る気はないけど………髪と肌を白く…眼は…あ、オッドアイ出来るんだ?右赤の………左金にしよう。決定。」 『アバターの外見設定を終了します。続いて、種族(レイス)職業(ジョブ)を選択してください。』 「れいす?」 『当タイトル、ディファレント・ディメンション・オンラインには多数の種族(レイス)が存在し、プレイヤーの皆様にはその中から一つ選んでゲームを始めていただくことになっています。』 「なるほど………質問ついでにもう一個。」 『どうぞ、shYno様。』 「招待コードってどのタイミングで使うの?」 『確認中………Βテスターによる招待コードを確認しました。希少種族(レアレイス)ランダムチケット、ゲーム内アイテム“初心者詰め合わせセット”を獲得しました。“初心者詰め合わせセット”はログイン後自動でインベントリに配布されます。希少種族(レアレイス)ランダムチケットを使用しますか?』 「愚問だね。当然、イエスだ。」 『抽選を開始します………抽選完了、獣人(セリアンスロープ)幻想種(イマジナリ)鷲馬(ヒポグリフ)に決定します。』
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