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無機質な電子音声の後、アバターに変化が現れる。
二色の眼は鋭さを増し、肩甲骨付近に体を覆って余りある純白の翼が生えた。
「ほー…見た目の変化はそこまで多いわけでもないのか。もっと合成獣じみたグロテスクなものになるかと………ねぇ、これ翼仕舞えるの?面積増えるとか、いい的じゃん。」
『種族スキルにより、非使用時は体内に格納可能です。続けて、職業を選択してください。主職業と副職業の二つが選択できます。』
「説明をもう少し詳しく。」
『職業は物理職と魔法職に大別されます。その中で更に系統ごとに分かれますが、初期職として選択可能なものは限られます。物理職であれば初期職は剣士または格闘家、魔法職であれば初級魔法使い、特殊系統として召喚士及び調教師が存在します。』
「大体わかった。一覧ある?」
『現在選択可能な職業一覧を表示します。』
「………うぇい、ステイ、ちょっと待って。さっきの説明のどれにも当てはまらなさそうなのあるんだけど。嵐の王って何!?」
表示された一覧を見て、詩音が狼狽える。
目の前に表示された、ホログラムモニター。その小さな枠に並ぶ凡庸な初期職の中で、明らかに一つだけ異彩を放つ職に、彼女の眼は惹き付けられた。
『種族固有・魔法系超特殊職業、嵐の王。転職条件、風に関連する特徴を持つ幻想種の因子の保有。装備可能武器種、刀剣、槍、鉤爪、棍、杖、魔本。装備可能防具、軽鎧、衣類。』
「んー…だとしたら、剣士系の職業をとる必要はないか………?決めた。主職業、嵐の王。副職業、調教師。」
『主職業、嵐の王。副職業、調教師でよろしいですか?』
「イエス。」
『職業を決定しました。続いてステータス配分を行ってください。ボーナスポイント、30。』
職業の一覧とは別のホログラムモニターが、詩音の眼前に浮かぶ。そこに並ぶ数字を見て、ついに彼女は言葉を失った。
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