変なおじさん

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変なおじさん

   月のない真っ暗な夜だった。  両親が罵り合う家を飛び出して、近くのコンビニへ向かったけれど、街灯の少ない田舎道は怖い。コンビニの看板の明かりが北極星のように瞬いていて、私は田んぼの海の向こうを目指してひたすら歩いた。 「おまえが悪い」 「あなたは悪くないって言うの?」 「誰の子だよ?」 「あなたの子に決まってるでしょ」  夫婦喧嘩はいつものことだったけれど、今夜は少し違った。「誰の子だよ?」って、どういうこと? 私、パパの子どもじゃないの?  パパはいつから疑っていたのだろう。私の存在はずっとパパを苦しめていたのだろうか。息ができないみたいに苦しくなって、こっそり家を抜け出した。  私がいなくなれば、パパとママは仲直りできる? でも、私、こんな夜中にどこに行こう? 
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