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話し合い
「食べないのか?」
会社から直接来た為お腹はペコペコだが、この人と食事をする気になれない。
楽しくも無い食事なんかおいしいとは思えないから。
「食べたくないので、お構い・・」
ぐるるる・・
「ふっ、空腹だと脳に栄養が行かなくて慰謝料をふっかけられても反論できなくなるぜ」
ビシッと決めたかったのに空腹には変えられない、まさかこんな食事をすると思ってなかったから、財布にいくら入っていたっけ、2万で足りるかしら・・・
そんなことを考えつつマリネを口に運ぶと、上品な酸味が口の中に広がる
「おいしい」
つい、顔がほころんでしまう。
こうなったら、黙々と食事を楽しもう。
運ばれてくる料理はどれも上品で前に座っている男の顔さえ見なければ楽しい。
デザートのオレンジソースのレアチーズケーキを幸せな気分で平らげる。
この一週間仕事に明け暮れてなにも考えないようにしてきた。たまにはこんな風に贅沢をするのも悪くない。
ここで「ごちそうさま」と言って帰れたら最高なんだけど
「それで、慰謝料の事ですが」
「それなら、部屋をとってある」
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