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雨にうたれて
すれ違う人たちが振り返る。
傘も差さず、走ることも無く俯きながら歩くずぶ濡れの女。
気でもふれたかと思われているだろうか。
「おい」
背後から声がかかる
私を呼ぶ人なんかもういない、無視をして歩き続けていると
「城田紗季」
振り向くと同時に手首を捕まれる
追ってきたのは沖田だった。
「送って行く」
「結構です」
「びしょ濡れじゃ無いか、風邪をひくぞ」
心配をしてる風な台詞の割に私を見下しているような表情が
むかつく
目を反らしたらバカにされそうで、
まっすぐに目を見てから腕をほどき無言で歩き出す。
彰のことで哀しいはずなのに今は沖田への怒りでいっぱいだ。
でも、きっと明日からは・・・
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