Story2 再会の理由

5/13
前へ
/29ページ
次へ
「流歌! 流歌!」 私を呼ぶ声に私はハッと我に返った。 「え?」 「自己紹介。順番」 亜弓のその言葉に、その場は笑い声が広がる。 「あっ、小林流歌です」 それだけを言うと、私は小さく頭を下げた。ソラト君が正面じゃなくてよかった。 そう思いながら、私は無言で自分のビールのグラスを見つめた。 乾杯も終わり、私以外の女の子たちがこぞって質問をしている。そしてそれに答える男性陣を私はただ黙ってみていた。 もちろんソラト君にも質問が飛ぶ。高校生の時はまだ細いイメージもあったが、今は大人はスーツの上着を脱ぎ、袖をまくった適度な筋肉のついた腕が見えた。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

390人が本棚に入れています
本棚に追加