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「流歌! 流歌!」
私を呼ぶ声に私はハッと我に返った。
「え?」
「自己紹介。順番」
亜弓のその言葉に、その場は笑い声が広がる。
「あっ、小林流歌です」
それだけを言うと、私は小さく頭を下げた。ソラト君が正面じゃなくてよかった。
そう思いながら、私は無言で自分のビールのグラスを見つめた。
乾杯も終わり、私以外の女の子たちがこぞって質問をしている。そしてそれに答える男性陣を私はただ黙ってみていた。
もちろんソラト君にも質問が飛ぶ。高校生の時はまだ細いイメージもあったが、今は大人はスーツの上着を脱ぎ、袖をまくった適度な筋肉のついた腕が見えた。
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