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Story2 再会の理由
「うそでしょ?」
そう言いたい気持ちをグッと抑えると、私は目の前の人を呆然としてみた。
よくありがちな飲み会の誘い。参加できない人が出たとかで泣きつかれた。
「流歌、絶対後悔しないって。こういう飲み会嫌いなのは知ってる。でもすごくエリート揃いなの。今日は潰したくないの」
懇願する同期の歩美の言葉に私は小さくため息をつく。
「貸しだからね」
そう言ってしまった自分を呪ってももう遅い。
目の前には4人のスーツ姿の男の人。
歩美が言った通り、どの人も整った顔な上に、上質なスーツ姿。
明らかにエリートなのがわかる。しかし、私はそんな事はどうでもよかった。
「長谷空翔。弁護士してます」
弁護士? サッカー選手じゃないの?
その中の一人。私の忘れていた過去の淡く苦い思い出。
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